フリー編集者の人生を見つめる日誌

〜生きることってどんなこと〜

急に職を失って、収入が1/6になった話

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私はフリーランスなのだけれど、業務委託というかたちでとある出版社と契約をしていた。1年更新の契約。しかもまあまあいい金額をもらっていたので、結構悠々自適というか、毎月いくらもらえるかわかんない!みたいな焦りはなく、いわゆる会社員というかまあそういう気持ちでいた。で、その仕事自体には不満もあって、好きなことじゃないなー、私に合ってないなー、と思っていて、いつ辞めようかと真剣に考えていた。

初めて契約したのが2020年だったから、コロナ禍を経て、3年くらいお世話になっていた。辞めたい波はいつもあったけれど、あるときふと、「お金のために働いて何が悪いのさ?」という気持ちに至った。それまでは仕事とアイデンティティがイコールだったせいで、やりがいのある仕事、だとか、好きな仕事、に固執していたけれど、そうじゃない生き方があると知った。それはzineをつくるようになってからで、自分の表現をしてから、急に仕事と表現(=アイデンティティ)が乖離していった。

そんなわけだから、お金がもらえるならいいやーと割り切って仕事をしていたのだが、実はその媒体の方向性が変わって、私がやっていたポジションがいらなくなったのだ。もちろん、あれーどうしようとは思っていたけれど、結構自分も頑張ってきたし、すぐに「じゃ、サヨナラ」と言われるとは思ってなかった。というか、最初の交渉では言われなかったのだ。が、まず初回の打診で給料が半分になった。それだけでもショックなのだが、仕事内容だけは異常に増えて、「ちょっとこれではできません、せめて仕事を減らしてくださいな」とお伝えしたところ、「じゃあこれで!」(バーン!)と、1/6の額を提示された。つまりは、じゃあもう小さい仕事だけやってや、ということで、事実上のサヨナラ宣言。(媒体の業績が悪くて、私と同じ業務委託がバンバン切られている最中だった。だから都合がよかったんだと思う。それに私にやる気があればまだしも、プップクプーと仕事をしてたもんだから…)

もちろん悲しかったけれど、それよりも契約更新の1日前に言われたことに憤りを感じた。ひどい。正社員じゃない人への愛がない。フリーランス派遣社員、アルバイトはいつ切ってもいいと思っているんだろうか。この会社からもらっているお金をベースにして暮らしていた私は、急遽生活の主軸をハンマーでぶん殴られて壊されたような感じだし、明日からどうしよう?とばかな顔をして考えなきゃいけない。今ももちろん考えている。ちなみにこれって11月1日(契約更新)の話なので……。私の場合、こんなこともあろうかと貯金もしていたし、他にも仕事をもらっていたからいいけれど、仮にそうでない場合、次の日からいきなり無職、一銭なしって、普通に考えてめちゃくちゃな暴力。こういうときのために組合に入っておくべきなんだろうか。この国で、いきなりお金がなくなって、家族にも頼れなくて、友人も少なくて、パートナーもいない、みたいな状況になったら、私はあっという間にホームレスになるのかなと思った。案外大袈裟な話じゃない気がする。だからみんな会社に勤めて、人でごった返した電車に心を無にして乗っているのかもしれない。

で、給料が1/6になるのはおそらく再来月から。せっかくだから、時間をかけて考えて、何か新しいことを始めてもいいのかな〜とぼんやり思っている。私はお店というかコミュニティスペースみたいな場所をつくりたい。そこにはzineとか身近な誰かがつくったものとかが売っていて、私はそこで相変わらずパソコン仕事をしてもいいし、人がきて雑談とか、特技のある人が特技を教えたり披露することもあってよさそう。なんとなくだけど、そんなことがしたい。あと、グラフィックデザインのスキルがほしい。お金がなくなるというのに、自分でも驚くくらいノーテンキ。そうじゃなかったら、フリーランスなんてことやっぱりできないんだな、と思った。