フリー編集者の人生を見つめる日誌

〜生きることってどんなこと〜

4/10(月)ヒンドゥー教の聖地・バラナシ

※この記事は、インドzine完成を記念して、過去(2023年4月)の日記を公開するという、極個人的なイベントによるものです。

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ヒンドゥー教の最大の聖地、バラナシに着いた。発音はワーラーナシーのほうが近い。

この街には日本の北から南まですっぽり入る大河、ガンジス川(インドではガンガーと呼ぶ)がある。ガンジス川に沿って、石段(ガート)が建てられていて、早朝は沐浴、夕方は礼拝が行われる。したがって、ガンジス川付近に街があり、私たちも川近くにホテルを取った。

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ホテル名は「Rose Heritage Hotel」。モロッコ洞窟ホテルを思わせるような、可愛らしい内装のブティックホテル(モロッコは未踏だが、一緒に行ったSちゃんが、ここはまるでモロッコだと言っていたので採用させていただいた)。

まずは荷物を置いて、街を散策してみることにした。我々は3人なので、ベッドは毎回ジャンケンで決める。大体の部屋はツインベッドで、サブベッドが1つ付いているようなかたちになる。だからジャンケンで勝った人からいいベッドを取っていくという方法なのだ。ただし、まずはどの部屋orベッドがいいか立候補制になる。私はつい可愛い部屋(ベッドは1つ)を立候補したのだけれど、これが間違いの始まりだった……。

午後にバラナシに着いたので、街ブラをしつつ、夕方にガンガーで行われる礼拝を見に行くことにした。バラナシの街はとても古く(空港からのタクシー運転手が、バラナシは古い街だからとてもいいよと言っていた)、小さく、いろんな人や牛が行き交い、どこを切り取っても絵になった。


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中心地あたりでトゥクトゥクを降りて、小腹が空いたので、屋台のスナックを試してみることにした。バラナシで見かけたスナック(コロッケみたいにちょっと小腹を満たすようなもの)は、ほとんど揚げ物だった。おじさんたちが何やら揚げ物台の前に集まっている。

3人でそれぞれ異なる揚げ物を買ってみることにした。食べる。私が買ったものは、中にジャガイモやチーズ(パニールと呼ばれるカッテージチーズかもしれない)、スパイスやお肉が入っていた。おいしい。これならコロッケをアレンジしたらつくれるかもしれない。

ジャガイモの中にチーズが入ってすごくおいしかった(右)

さらにその手前の屋台で何やら野菜を刻んで、豆と一緒にアルミの容器に入れて売っているかなりハンサムなおじさん(雑誌レオンに出てきそうな見た目)に、これも食べたいですと注文。ニコニコつくってくれて、なんと「金はいらないよ、その代わり写真を撮ってくれ」とのことだった。どうやらハンサムさは中身からやってくるらしい。これもまたとてもおいしかった。

素敵なおじさま

そしてついにガンガーへ向かって歩き出す。同時にたくさんの人もガンガーへと向かう。

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ガンガーへの道の両サイドにはたくさんのお店が立ち並び、声かけなども多い。夕日が沈み始めた頃、ついにガンガーが見えた。入口付近には、サドゥーと呼ばれる、全身を灰で白く塗った修行僧がいた。無茶苦茶なヨガのポーズをして、マリファナを吸っていたのかな、あれは。ウィキペディアで調べると、白い灰を塗ってほとんど全裸で過ごすのは、サドゥーのなかでも「ナーガ」と呼ばれる人のことらしい。ちなみにナーガは、タイや周辺国では、蛇の精霊のことで、お寺などには必ずモチーフとして用いられている。やはりインド神話を由来としているらしかった。世界はつながっている。

さて、礼拝をどこで見ようか、とあぐねていると、すかさず日本語の話せるインド人。うちの建物の上がいいよ、と案内される。たしかによく見えたし、どこか探すのも疲れるため、こちらで決定。18:30くらいから礼拝は始まった。

最後のほうはトランス状態

 

川ギリギリにステージらしいものが7つ並んでいて、その周りを大勢の人が囲む。ちなみに川にはボートが密集して、船上からも見られるようになっている。現代的なドラムセットが鳴り響き、鐘が慣らされ、人々が手を叩く。ステージでは火を扱いながら、音に合わせて緩やかに踊る。一種のトランス的な体験がそこで生み出されていて、まるでコンサートを見ているような気持ちにさえなった。ヒンドゥー教がこれだけエンタメ要素を含んでいるとなると、たしかに仏教などの静かな宗教は端へ追いやられる(インドでは)のもわからなくもない気がした。

礼拝は1時間ほどで終わり、さくっとご飯を食べてホテルへ。ちなみに先ほど私が選んだベッドがまさに簡易ベッドだったのだ。トホホ。しかも通りに面しているからうるさい、眠れない。そうしているうちに朝の3時になった。4時半には朝日を見るために起きなくてはならないのに……。しかもなんだか鼻がムズムズしてきた。これはこの部屋のアレルギーだ…と思ったのだが、後々ひどいことになる。