フリー編集者の人生を見つめる日誌

〜生きることってどんなこと〜

11/18(土)香港3日目:独立系書店とギャラリーめぐり

明け方まで眠れなかった。最近お酒を飲むと逆に目が冴えるということがある。困った。なので10時過ぎまで寝ていて、お昼前に「香港動植物園」へ。

こちらは街のど真ん中にあるのだけれど(イメージとしては表参道にあるみたいな)、かなり広々としていて、無料で大きな公園と動物、植物などが見られる。ただ香港島は坂道が多く(私的にはもう山登りだった。健脚でなければ香港には来られない)、公園にたどり着くまでにヒーヒーしてしまった。かなりの急勾配。毎日上り下りしていたら、脚力つくだろうな〜と思った。こんなふうにしていたら、結構鍛えられて、たまの山登りもなんのそのになるかも。で、やっとの思いで公園に着く。とてもきれい。

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まずは噴水のあるほうから見る(公園は道路を挟んで右と左に分かれているが、中からはトンネルを潜って行ける)。とてもきれいに整えられていて、人の手がかかっているのがわかる。

ここにまさかのタンチョウ(鶴)がいた。

日本の鶴である。生まれてこの方一度も鶴を見たことがなかったので、あまりの不意打ちに驚いてしまった。タンチョウって、生きてたんだ。そしてここにいるんだ……。

それから、中のトンネルをくぐり、哺乳類などが展示されている公園へ。こちらには主に猿とカメがいた。オランウータンが、一番高い網の上で寝ていて(はたまたぼーっとしていて)、あ〜あ〜硬いフェンスの上じゃ背中も痛かろう、君はほんとうは森の中のフカフカの草のベッドで寝ていたんでしょう?と心の中で問いかけた。返事はなかった。動物園は人間が作ったものなので、フェンスやコンクリートという人工物に囲まれている。人間は硬い世界でも寝心地のいいマットレスやソファを敷けるからいいけど、動物たちは硬い上で寝なきゃいけないんだよ!?と、人間の業を憎んだ。フリーアニマル活動家になって、動物を動物園かどから逃してまわるというすごく身勝手なバカになるのはどうかなぁなどという妄想をしながらめぐった。

それから今日は行きたいところがあった。下調べで一番気になっていた本屋「芸鵠書店(ACO Books)」だ。

ここはおそらく香港で一番zineの品揃えが多くて、いろいろと楽しい催しなどをしているに違いない。知り合いのzineを作っている方にもおすすめいただいたし、今読んでいる本「わたしの香港」(亜記書房)でも紹介されていた。

このビル全体がギャラリーやら本屋やら何かしらのスペースになっていて、上から順に見て回るのがとても楽しかった。

ACO Booksはこの日トークショーをやっていた。

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それから下へと降っていくと、ちょうど開催中の短編フィルムフェスティバルの上映会場になっているスペースがあり、どうぞどうぞというので観させていただいた。白堀の壁に映画が映し出され、小さい室内の中にはお客さんでいっぱいだった。アメリカンチャイニーズの話(皮肉たっぷり)とか、ウクライナ戦争下で生活する人の映画を観た。面白かった。さらに下へ降りると、2つほどギャラリーがあって、展示を観た。


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楽しいもの、好きなものを発見して、心が満たされた。


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ACO Booksには、香港で行われているアートイベントだとか、展示のフライヤーがいっぱいあり、その中のひとつに行ってみることにした。外はもう暗くなっていた。

ギャラリーの名前は「480.0  性別藝術空間(Gender & Art Space)」。

ジェンダーとアートをテーマにしている。ここで行われていた展示は、性暴力にあった女性たちのストーリーを共有するというもの。個人のものもあったし、自助グループによるものもあった。

アウトプット方法は、短編小説だったり、インスタレーション、ペイントなどさまざまだった。ただし必ず、言葉で伝える冊子が用意されていた。

そして外に向けて発信したあと、どう感じたかという、彼らの今の気持ちも展示されていた。ここではただ見るのではなく、予約が必要で(予約なしで行ってしまったけれど、その場でできる)、なぜなら英語/広東語でスタッフの人がきちんと説明してくれるから。ただやるだけじゃなくて、ちゃんと届けることに意識があるのだと感じた。しかもこの時、私のほかに1組いて、それがカップルだったのも嬉しかった。ここで言及されているのは、主に女性の被害者と男性の加害者のこと。その男性に見てもらえるのは大きいなと思った。

それから、夕飯を食べに「劉森記麺家」へ。

ドライ麺にエビの卵がたっぷり振りかけられている。海老ワンタンも頼んだけれど、海老は刻まれておらず、まるっと1尾入っていた。嬉しいな~。食べたあとは気になっていたバー「バウンド 」へ。


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ここも「わたしの香港」で紹介されていた場所だ。ひとり客も多かった。2杯飲んで帰宅。今日は宿の女の子に怒られなかった。