4/8(土)インドについた
羽田からマレーシアを経由し、いよいよインドに着いた。
乗ったのは、あのマレーシア航空。予約するまですっかり忘れていたのだが、マレーシア航空って何度か不運に見舞われているのだ。まずは2014年。ウクライナ東部を飛行中の旅客機が何者かによって追撃され、乗客298名全員が死亡したという悲惨な事件。ロシアが関与しているとBBCで読んだ。もうこの頃からウクライナ-ロシアは不安定だったわけで、そこに巻き込まれた可哀想なマレーシア航空。そして同じく2014年、有名なマレーシア航空370便失踪事件。最近ではNetflixでドキュメンタリーシリーズも放送されている。
インド洋に墜落したって結論付けられたらしいけど、機体の破片もひとつも見つかってないんだってね。うーん不思議。乗客はもちろん誰ひとり帰らなかった。
という、マレーシア航空。ややビビっていたものの、何の問題もなく着陸した。
着いたのはチェンナイ国際空港。
南インドの玄関口で、インド4大都市に数えられるらしい。インドに入国するのは日本人でもビザが必要で、パスポートコントロールでは、「何日滞在するの?」「何するの?」「どこ行くの?」とアメリカばりに聞かれた(いまはアメリカもそんなに聞かれないんだろうか)。ようやく外に出ると、ムワッとした空気。けれど湿気はないから、タイよりも過ごしやすいのかなと感じた。
空港のタクシーを頼むと、荷物を乗り場まで運んでくれるおじさん。
「I’m very poor. I don’t have parents. Only me and sun and daughter.」と。つまり金くれよってことなんだけれど。あいにく小さいお金を持っていないし、50mついてきてくれるだけでたくさん払うのもな〜と思って、「Sorry. I don’t have any small cash」と言ったのだけれど、食い下がってくる。「めっちゃ小さいの、こういう小さい紙幣でいいから!」とおじさん。大変申し訳ない気持ちになったのだが、おじさんを振り切って車のドアを閉めた。
続いて運転手。道に迷った。道に迷ったあげく、最後に「3km多く走ったから金くれ」と。「私のミスじゃないし、もうお金は払ってあるから無理」と言ったら、彼は力なく笑った。
そんなこんなで、タイの友人、MとSとホテルで合流できた。彼女たちは昨夜バンコクからチェンナイ入りしたのだ。私は素早くシャワーだけ浴びて(ちょっと歩いただけなのに汗だく)、まずはお昼ご飯を食べに。南インドのカレーが食べられる「Murugan Idli Shop」へ。
まずバナナリーフがランチョンマット的に配られて、メニューを決めたら、そのリーフの上に直接サーブされる。驚いたのだけれど、全てが土に還るものだった。スプーンは木だし、器は枯れ葉を型に固めたもの。プラスチックなんてどこにもなかった。食事はワンコそばスタイル。カレーがどんどんサーブされる。米、ドーサ、イドゥリ(米の発酵蒸しパン)を食べて、大満足。
そのあとは念願のタラブックスへ。タラブックスは日本でも人気の南インドの出版社。絵本を主につくっているんだけど、全部シルクスクリーンで、一つひとつ職人による手づくり。挿絵はインドの民族の伝統芸術なんだそう。一緒に旅行中のMちゃんからタラブックスの存在を知って、日本でいくつか買い求めていた。そして今回、タラブックスへの訪問が叶った(というかむしろこのために南インドに来た!)
タラブックスは郊外にあって、ここ以外見どころがなさそうな場所だった。中に入ると、1階は絵本やノート、ポストカードを販売するショップ。2階は行っちゃいけないよ、と言われたけれど、おそらくここでデザインや企画などしているんだろう。「どこでプリントしているの?」と聞いたら、ここから少し先にシルクスクリーンの作業所があるとのこと。時間が限られていて行けなかったけれど、見てみたかったな。いくつかメモ帳やポストカードを買って、市街に戻る。
夜は歩いてビリヤニのおいしいお店へ。
最近の恋愛事情について根掘り葉掘り聞かれる。私は回避型(追われると逃げたくなる)なので、不安型(追うことがすべて)の人とは相性がよくないから、好き好き言われる恋愛はだめだ、とクギを刺される。
マトンビリヤニとチキンティッカ、エッグマサラなどを注文。どれもとてもおいしかった。インドにはお酒がない(あると思うが容易には見つからない)。だからホテルにまっすぐ帰宅して、泥のように眠った。