フリー編集者の人生を見つめる日誌

〜生きることってどんなこと〜

パートナー(夫)が突然やってきた

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私には遠い国にパートナーがいる。どのくらい遠いかというと、飛行機で6時間くらいなので、すごく遠くはないけれど、少し遠い。場所はタイである。

2019年から、俗に言う「国際遠距離恋愛」なるものを始めた。でもこのときの国際というのは、タイと日本ではなく、ロサンゼルスと日本だった。と、まぁ、話せば長くなるけれど、とにかくコロナ禍の2021年、リモートで結婚した。そして結婚してから会ったのは、たったの2回。

そして突然3回目が訪れた。「7月に日本に行きたいな〜」なんて言っていたものの、いつまで経っても実現しなさそうなので、いつもの戯言だと思っていたら、突然、行く!となり、チケットを買っていた。けれども、どうやらまだ日本に入るのは簡単ではないらしく、私が「妻として招待する」ことになった。パスポートをコピーしたり、招待状を書いたり、結婚を証明する書類(戸籍謄本)を出したり。国際結婚って、真面目に厄介なのである。日本人同士ならやらなくていいことばかりやっている。

そしてビザを取れたのは、日本に来る2日前くらい。かなりの強行スケジュール。こっちのスケジュールなんか無視オブ無視なので、私は彼が滞在する2週間の間、富士山登山なんかを入れていた。それに仕事だってあるのだし、そもそもこれまで一緒に暮らしてこなかった(結婚前は2年ほどタイで同棲はしていた)のに、一緒に同じ部屋で暮らせるんだろうか? それに私はフリーランスで在宅、彼はアーティストで在宅。1日中一緒なんて絶対無理!!!!そうして鬱々とした気持ちのまま、その日はきたのだった…(失礼)。

 

1日目 アコギギター編

遠く離れているといっても、実は4月にも会ってるので、3ヵ月ぶりくらい。会うときは、「あ、ヤッホー」くらいなテンションである。駅や空港でめちゃくちゃ抱き合う、みたいなことはない。そんなのって、ほんとうに存在するんだろうか? 私たちはいつも通り至極ナチュラルに再会した。彼は音楽家なので、どこかへ行くときは必ず楽器やら何やら一式持ち歩いている。まさかその楽器が夜の喧嘩の火種になるなんて、このと気はまだ予想だにしなかった。

彼と一緒にいることは、予想してたよりも大変じゃなくて、「鬱々としてたけど、自分の思い過ごしだったんだ」そう思っていた、深夜1時。事件は起きた。「ビィィィイイイーンンンン」デカい音が鳴る。振り向くとアコギを弾いていた。「Heyyy What are you doing!?」(え、何やってんの!?)と私。とぼけた顔の彼。うちはマンションだけれど、壁が薄いのか、まじで外の音とかよく聞こえる。一応最上階だけれど、下には人が住んでいるし、何より深夜のアコギはビビるくらいに音がでかい。しかも「これからマイクで声も出すよ」。おいおいおい? 何を言っても平行線で、まったく話にならない。もうまじでやっぱりダメだったんだ!と半ベソをかきながら不貞寝したけれど、その夜アコギが弾かれることはなかった。(ほんとうによかった)

結局、アコギと発声は翌日の午後行われた。まだ住民の誰からも苦情は来ていない。私が気にしすぎなのか、彼が気にしなさすぎなのか。彼との生活は始まったばかり。人と暮らすというのは、自分のことばかり考えなくてよくて、それはとってもヘルシーだと思った。