フリー編集者の人生を見つめる日誌

〜生きることってどんなこと〜

安倍元総理が死んだ/イカゲーム

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個人的な日記だから、今日のことをちゃんと書いておく。

今日、日本中、はたまた世界も震撼させる事件が起きた。奈良で演説中だった安倍元総理が襲撃され、亡くなった。撃たれたことを知ったのは、これから新しく始まるメディアの打ち合わせで、顔合わせをさせてもらい、いくつかの仕事を終え、バンコクで出会った友達に会いに、駅に向かう途中だった。その友人から、「安倍さん、撃たれたよ」と連絡があって、ほんとに……? 日本だよ、ここ?と、まず思った。いよいよ何かが崩れたのだと。

私は安倍さんのやってきたことは、まったく支持しない。むしろ、安倍さんのやっていることが嫌で、日本を飛び出した、みたいなところもあった。だからあっさり辞任したときは、ちょっと拍子抜けした。でも、支持しないことと、このことはまったく別物だ。暴力をもって、自分の意見や立場を表明したり、何かを阻止するのは、絶対に間違っているし、そんなことやって、何になるの?

今日は湿度がない、カラッとした晴天で、真夏みたいだった。こんな日にどこかで誰かが倒れている。嘘みたいだ、と思った。携帯からはたくさんの情報が入ってくるけれど、道ゆく人が何を思ってるのか、計り知れない。電光掲示板でニュースが流れるわけでも、号外が配られるわけでもない。渋谷を通り過ぎても、みんな下を向いたり向かなかったり、ただ普通の日常が繰り広げられるだけだった。ほんとに、誰か死んだの? みんな、何をいま思ってるの? 知りたかった。でも結局、バスで並んでる隣のおばあさんにも、「バス、なかなか来ませんねぇ」と言うだけで、「そういえば、安倍さん、撃たれましたね。大丈夫ですかね」とは言わなかった。だから、みんなが何を思っているのかわからなかった。今日は少し、人の携帯画面をのぞいてしまった。安倍さんのこと調べてるかな、とか。結局、ハムスターの動画を見ていたり、ゲームをしてる人しかいなかった。ほんとに、安倍さんは死んだんだろうか?

 

バンコクの友人たちとはおうちでのんびり遊んで、リラックスできて楽しかった。やっぱり安倍さんの話になる。

帰りに、今日は期限前投票をするつもりで、整理券を持ち歩いてたから、投票に行った。安倍さんが死んだ日に投票するなんて思わなかった。

 

安倍さんが撃たれて、円高になった。撃たれてすぐから円高になった。投資家ってすごい。戦争があっても人が死んでも災害があっても、最初に考えるのはお金のこと。お金ってなんなんだ。それで、ついおととい観終わった『イカゲーム』のことを考えた。人間一人ひとりがお金に換算されていくのだけれど、なるほど、安倍さんもそうだったのだ、と思った。人の命は金なのだ。あれは、皮肉を描いてるわけじゃなく、事実を描いてたのだ。

 

今日、ひとりで家にいなくてよかったかもしれない。ショッキングなものを観たり聞いたりすると、とても落ち込んでしまうので。でも幸い、かわいい服を着ていた。かわいい服が私を幸せにしてくれた。よかった。それに、パートナーが、もうすぐ日本に来られることになった。哀しい分を、ハッピーで埋められない日もあるけれど、ちょっとずつ貯金していけば、大丈夫。

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