フリー編集者の人生を見つめる日誌

〜生きることってどんなこと〜

映画『トップガン マーヴェリック』はおじさんの背中を押す超ムネアツ映画だった

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仕事終わり、10年来の仲であるイチローさんに映画に誘われ、『トップガン マーヴェリック』(トップガン2)を観に行ってきた。

トップガン』は日本では86年に公開された映画で、当時は大変な人気だったらしいが、恥ずかしながら私は今まで観たことがなかった。トム・クルーズとMA-1とエアフォースね〜となんとなく思っていたくらい(しかもエアフォースじゃなくてネイビーだったし)。今作も主演はトム・クルーズ(なんと59歳)で、同じ役を務めるそう。全くの前情報なしで、とりあえず新宿ピカデリーに滑り込みセーフ。そして映画が始まった。

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中盤から最後にかけてのアクションシーン(飛行シーン)など手に汗握るものだったし、ジェットコースター気分で、「わーとっても楽しかったねえ!」と思って、最後のエンドロールまで見切って、横にいるイチローさん(46歳・編集者)に、「どうだった?」とさっそく聞いてみた。するとイチローさんは、「最初のパラマウント・ピクチャーズ(制作会社のロゴ)が出たところから涙が止まらなかった」とのこと。映画館を出てからも「いやーすごい」「最高傑作」「わー」とか言っているので、居酒屋でじっくり話すことにした。

イチローさんが全おじさんを代表していろいろ教えてくれた。まず、この映画で描かれているのは、80年代に少年または青年だったおじさんが、いまの社会で直面している葛藤そのものなんだそう。

あ、ここからネタバレは含まないけれど、全く知りたくない人は見ないでくださいませ。

つまりトム・クルーズ(以下マーヴェリック)は、しがないおっさんのひとりに過ぎないんだと。勤続30年以上で出世もせず、過去の栄光はとうにどこかへ葬り去られ、若い世代の連中はそんなマーヴェリックに取り合ってさえくれない。出世コースを外れたおじさんは、会社でただのお荷物になっていき、自分はもう無理かもしれない、挽回がきかないかもしれないと気がつき始めるんだと。ふむふむ。

だけれども、あるヤケクソ事件をきっかけに、少しずつ若者たちの信頼を得ていくんですね。一方で、離婚、友人の死、壮年の恋などもしっかり描かれる。「いくら歳とっても、恋だってしたいんだよ、おじさんはぁ」とイチローさん。へ〜。あと、ITに弱い(またはついていけない)おじさんが、技術で若い連中を負かすようなシーンが出てくるんですけれどね、なんだか熟練の職人が、ロボットなんかに負けてたまるかい!というような感じに確かに思えたんですよ。マーヴェリックは生粋の職人なんだよね、多分。

自分の人生はもう先細りなんじゃないか、若い人にはもう叶わないんじゃないか、とどこかで感じ始めるおじさんたちにとって、「まだいける、俺らまだ戦えるぞ!」と励ましてくれる最高のヒーリングドラマらしい。めっちゃ深かった。